■あらすじ
民子と仲良くなろうと共通の話題を探していた緒花は、何かとちょっかいを出してくる板前の『宮岸徹』をネタにしようと考える。
徹の悪口を饒舌に語る緒花だったが、民子の機嫌は悪くなっていくばかり。
その時、緒花の脳裏に先日の告白現場で民子が言っていた好きな男の条件が浮かぶ……それはまさに徹その人であった。
翌朝、民子の機嫌を取り戻すべく外出先にまでついて行き謝る緒花。
『ふくや』の前に差し掛かったとき、徹とふくやの跡取り娘・結名が一緒にいる現場を目撃してしまう。
その日、板場に徹の姿はなかった。
心配になった民子は、徹の行方を板長の蓮二に聞くがあっさり一言「あいつなら来ない」。
一方、どうにもならない状況に陥った緒花は、今までの経緯を菜子と巴に明かす。
なぜかその話に加わっていた次郎丸は、喜翠荘とふくやがライバル関係にあることから、徹が「引き抜き」にあったのではないかと推測するが…
■乙女心とは複雑なものでありまして…喜翠荘で働けるように進言してくれた恩人で、先輩としてしっかり指導してくれる徹。
そんな状況で、思春期の民子が彼に惚れてしまうのも無理ないですね。
しかし、徹を追いかけたい乙女心と、板前修業の場を与えてくれた喜翠荘への恩を計りにはかけられない…
本気で悩んでいる民子の姿に触発された緒花は「恋も仕事も頑張っている民子を応援したい」と持ち前の行動力を発揮するわけです。
そして民子の姿を孝一に投影して、孝一がいかに自分を想ってくれていたのかを実感する緒花。
16歳の女の子にしては、やや(かなり)遅れている緒花さんだが、その無垢なところがまたヨロシイ!

『第5話:涙の板前慕情』を読み解くキーワード
死んでしまふ 鬼おろし殺人事件 デコヘル しげこちゃん